ラビット再生クライシス 第二章 補修製作編(その1)

えっと、サボってた訳じゃないんだよ

……………

えっと、なんかソッポ向かれてる?

……………

えっと、カゴメのみなさ~ん! ちょっと聞いてもらえますかぁ~

……………

そんなときには、HAPPYになれるオクスリを……

……いや、さすがにソレに逃げちゃ駄目な気がする

 

ラビット再生 クライシス

 

~ 第二章 補修製作編(その1) ~

 

モウ、ヤメチャッタのかと思いましたよ!

そ、そんなこと無いよ。ないないアルヨ無いあるあるよぉ。masato_kusyou_a

ですよねぇ! あんなに意気込んで公言してたカゴメシリーズ3部作
やめちゃうなんてありえないですよねー!

え、そっち!? そ、そうだ! 錆取りしなくちゃっ!masato_kira_a

あ、マサトが何かから逃げた……

文芸部員、第一種戦闘態勢に移行……

 

スイマセン、色々と精進します。

 

さて、では気を取り直して。
今回は補修製作編って事ですけど、何からいきますか?

うん、まずはちょっと思い出して欲しいんだけど

IMGP4256あ、ウインカーレバーだねぇ。
プラスチックのレバーがぁ、押されてぇ折れたんじゃないかってぇ
推測してたんだよねぇ。

あら、その部品なら結構オークションに出ていますね。

 

うん、じつはそうなんだけど、まぁ折角だから
造っちゃっおうよ!

 

あぁ、マサトが変なモードに入っちゃった……

 

えぇー、でもぉ造るってぇ……プラスチックってぇ、石油から作るんだよねぇ?
あぁ、そっかぁ! 掘ればいいんだぁ!

なんか、エリカまで異次元モードに入っちゃってるし!

 

マサトくん、放っときましょう……
で、具体的には、どうお考えなのですか?

 

そうだね、丁度折れたアルミのレバーがあるから、それを切り出して磨いてやれば大丈夫なんじゃないかな? と思ってるんだよね。

 

えぇぇぇ、アルミってぇ元素だよねぇ。
でもぉアルミってぇ人間のぉ体内には存在しない元素でぇ結構謎が多い元素だってぇ、このまえ毒電波さんがぁ……

 

おーい、エリカちゃーんそろそろ戻ってこないと色々面倒だよ~

 

チッ……

ヒッ!

 

ふっ、相変わらず仲がよろしいですわね。

 

と言ってる間にこんな感じのものを作ってみたよ。

 

ケースを外したウインカースイッチユニット。本来なら斜め右下に向かってウインカーレバーが伸びているが折れて無くなっている。

2

折れたベース側に取付用の穴をあけ、折角なのでバラしたついでに外せるところは全部外して洗浄・研磨・磨き・グリスアップをやっておく。

3

アルミレバーにタップでねじ穴加工し両ねじを挿入。ベース側の取付用穴に差し込んだらヤセが少ない接着材で接着する。

4

メッキケースも極力磨いてワックスで処理し(気休めだけどね)組みなおしたらテスタを使った通電試験を行って完成。

わー、なんか最初からこうだったみたいじゃない!

あははは、そう言ってもらえると嬉しいな。

配線類もそのまま利用できたのですね?

うん、ギボシは緑青が出ていたからきっちり磨いたけど
他の配線類はまだ大丈夫のようだね。

きれいにぃなってくるとぉ、ワクワクするねぇ。
なんだかぁ、流星の後のパーリィ思い出しちゃったよぉ。

あら、エビはあげませんわよ

うぅぅぅぅぅ、けちーーーーー!

 

 

 

 

さて、では次は何を?

 あれ、かなぁ?

や、やっぱりアレ?

 

お呼びでしょうか?

 

いや、今回はもうそんなに酷くないから……。

 

 

 

ということでタンクの補修をしてみたいんだけど……。

何やら歯切れがわるいですね? まさか、また匂いとビジュアルが!?

 

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

マサトクンコロス、アタマノカワハイデ、コロス……

 

い、いや違うって! さすがにジブンももうあの匂いは懲りたよ。

 

だよねぇー

 

うん、オリジナルのタンクを思い出してほしいんだけど……

えっと、これですね?

わぁ、こんにゃんだったっけぇ……。

匂いは足りませんけどね……。

いや、だから変な記憶甦らせないでよ……。

 

あはははは、まぁトラウマになっても仕方なかったよねぇ。で、このタンクなんだけど、見ての通りほぼタンクじゃなくなってるんだよ。もちろん、ボンデ板(防錆鋼板)で元のように再加工も可能なんだけど、あまりにも欠損箇所が大きすぎる。

確か、残っている前の方にもプラネタリウムのような無数の穴が開いてましたよね?

そうそう、さすが籠目。よく覚えてたね。

あたしだってカゴメなんですけどー

あたしもぉ、カゴメなんだよぉ!

私も……

 

 

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

 

……なんてね。

チッ

 

え、えっと……い、今の流れがわからない人は、是非とも『カゴメクライシス』を読まなきゃダメだよ! そ、そうしないとシュカンが出てきて血の雨があぁぁぁぁぁぁぁぁぁー、マサト、さっさと進めてっ!!!


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RABBIT S211が大活躍している、このシリーズをご一読くださいませ。

あははは。
さて、さっきの話なんだけど、結論を言うと丁度オークションに出ていたタンクを買ったんだ。

えぇぇぇ、じゃぁあもぉタンクはぁ造らなくてもぉいいの?

 

うーん、そういう訳じゃない。さすがにどんな211も50年近く経っているし、元々錆びやすい構造のタンクだからね。デッドストックや余程の保存状態のものじゃないとそうはいかないし、今回用意したものも送料の方が高いんじゃないかって位のモノだからね、どちらにしろ補修はするよ。ただ、今回はオリジナルを使うのは止めたってことなんだ。

へぇー、でもさ、元々完全オリジナルに拘るわけじゃないって言ってたんだし、いいんじゃないのかな?

私もそう思いますよ、オリジナルに拘る人拘らない人、どれも共通しているのは『好き』っていうところですからね。その方向性がどこに向いているかの違いでしか無いと思います。

さっすがぁオヤカタサマぁ

 

 

1

ということで用意したのがこちらのタンク。ジャンク扱い漏れ不明で1500円くらいだったと思う。

2

オリジナルより程度は良さそうだが、中間の連絡通路は詰まってるし接合面の錆も多い。

3

ちょっと振っただけで錆がザラザラ流れ出てくる割には左肺(コックの無い方)の通路は完全に錆で固着してアプローチできない状態。

4

表面を軽くブラストしてみた。やはり塗装の下には底辺を中心に虫食い(錆)が。プレスの接合部も毛細管現象で染み込んだ水分で膨らんで割れそうだ。

5

なので思い切って開腹。これで思う存分錆と対峙できる。(笑)鉄板はオリジナルより状態は良さそう。補強程度でいけるかな? 左手前の大穴がミソ!

6

取りたいだけ錆をとる。今回はブラスト処理をしたので当然鉄板は痩せる。今回もまた写真のようにプラネタリウムの穴が開いたが、気にしない気にしない!

7

今回の錆埋め下処理その1.タンク用防錆パテ(今回はJBウェルド)を使って錆穴を埋める。プレスの継ぎ目や鉄板が薄くなっているところにも補強材として塗り込んだ。

8

液状タンク内シーラー(今回はPOR15のタンクシーラー)をよく撹拌してから塗っていく。塗料の重さがあるので、最初に筆塗したらある程度の分量を入れて回してやるといい。

9

どろりとした塗料でタンク内部の塗膜を築くように塗る。合わせ面の溝や左右の通路内部、もちろん切り取った部分の裏側にも万遍なく塗っていく。

10

左の切り取った部分にちょこっとついている塗料はピンホールから漏れ出した裏側の塗料。これでいい。PORはこうやってピンホールを埋めてくれる。

11

乾いたら切り取った部分と切り取られた部分の外側接合部の塗料や錆を削り落とす。今回はサンダーを使ったが、勿論サンドペーパーでもOK。

12

磨いた部分をフラッシング(薬品洗浄)する。ここではステンド用のちょっとキツ目の薬品を使っているがHAKKOとかの市販品でもよい。

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フラッシングした場所に予備ハンダを行う。予備ハンダとはハンダ付けする対象に予めハンダを薄く載せておくこと。やり方は……各自で勉強を!

14

真鍮薄板を用意して1.5cm程の幅で切断後こちらにも予備ハンダを行う。真鍮薄板はカミソリの刃と同じように切れるので、扱いには要注意!

15

準備ができたら糊代をはみ出させた状態でバイス等で固定し、はんだ付けをする。予備ハンダがきちんとできていればここで慌てることはまずない。

16

こんな感じ。ハンダの熱でPOR15が泡立っているが気にしない。肝心なのはできるだけしっかりハンダを載せることだ。

17

ここまでで作ったフタ部分を本体にハンダ付けしたのが奥のモノ。(単独写真が無かった!)手前のアセトン容器からは上のフタ部分だけを切り出す。

18

ザクザクっと切り出して載せてみる。端を金槌で叩いてなんとなく密着するように。右の穴は後で薄板で充てをすればいいので気にしない。

19

こんな感じ。この穴はオリジナルで、今まで全く外部からアプローチできなかったタンクの左肺にアプローチできるようにするものだ。

20

こんな感じで右下の蓋が着くと密閉されるが、長期保管時などにはタンク両側上部からガソリンを完全に抜くことができる。内部樹脂加工もしてあるから耐久性は大幅に増すだろう。

21

ここまでの加工が終わったら、再度内部にPOR15を流し込む。PORは夏場でもきっちり蓋をしておけば1週間くらいは大丈夫だ。

22

ハンダ不良の所からPORが流れ出てきた。勿論想定内だし、これでいい。何度か繰り返して確実に漏れなくなるようにする。

23

余っているPORを外側からも塗る。ガソリンは揮発性で-40度程で気化する。特に夏場などは結構内圧がかかるのでガソリンの水芸をやりたくなければ最後の処理は慎重にやりたいものだ。

24

表面にはサフを吹いたあとパテ盛りで整形。耐ガソリン性能を考えると2液ウレタン塗装が望ましいが、ラッカーも結構耐ガソリン性は高い。但しセルロース系じゃないと駄目なので一般販売のスプレー缶では難しいかも。

【今回使用した代表的な部材(抜粋)】

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¥2,322から
タンクの漏れ止めなどに特化したシーラー。錆取や防錆処理をしたら穴がっ! なんて時にはガラスマットと併用するとFRPのように補修も可能な万能シーラー。(2018/1/9 20:44時点)

 

ホーザン(HOZAN) フラックス 鉛フリーハンダ対応 便利なハケ付きキャップ付 容量30mL H-722

新品価格
¥340から
キャップについたハケで気軽に使えるフラックス。大物以外にも普段のハンダ付けに予めひと塗するだけでイモハンダやテンプラ防止にかなり効きます。(2018/1/9 20:49時点)

【表側取付後イメージ】

【裏側取付後イメージ】

 

いい感じに仕上がりましたね。

うん、今のところ水芸も無いみたいだしね

ガソリンがぁ、ぴゅーっとかぁ怖いねぇ!

いや、怖いって問題じゃないでしょ! 
ダメでしょ爆発しちゃうわよっ

水芸なんて無くてもC4をタンクの裏につけて
この携帯電話でですね……

あ、えっと、ほら、オクスリの時間よ!

うふ、ダイジョーブ
ワタシ、オクスリ、カエスカラ。
ほら、このC4で……あはっ、あははっ……

『いいから黙ってスッコンデロつってんだよ』

ま、まぁまぁ。折角色々上手くいってるんだし
みんななかよく……。

うぅ……まぁマサトくんがそう言うなら

 

ねぇねぇ、ところで次は何をやるの?

 

うーん、とりあえずは洗浄と再調整ってのが一番かなぁ?

あら、でも更に重要なことが残ってますわよ

えぇぇぇー、なになにぃ?

作者のさいしゅうしょ……

ら……らた、まいしゅう……。

 

 

 

 

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