ショーライバッテリーを、斬るっ!

それは別件でR-15DJの電装系を弄ろうとした時だった。
何気なくイグニッションをONにしたら、インジケータ類の反応がない。
「ん?」
通常ならば各種インジケータが点灯し、同時に燃料ポンプが「ニョーィ」っと唸りを上げるはずなのだけど、今回は何度かオンオフを繰り返したり、イグニッションスイッチのあたりをゴニゴニやってみても、インジケータの点灯はおろか、燃ポンも動いてる様子がない。
「うーん、バッテリーか……」
という事で、早速タンクを外してバッテリーにテスタを充てるも何の反応も無し。
先日まで全く問題なかったショーライバッテリーは、完全に上がってしまったのでした。

さて、そもそもこのショーライバッテリーとは何なのか? 知らない方の為に少しだけレクチャすると、ショーライバッテリーは燐酸リチウムフェライト(LiFePO4)バッテリーで……って、あぁめんどくせー、やっぱ適当にググッて!(笑)

で、なんかググると出てくるのは『軽い』『小さい』『パワフル』というワードだと思うんですが、これに関しては概ね当たっています。もともとリチウムイオンという新しいカテゴリに属すバッテリーで、従来のMF(メンテナンスフリー)バッテリーとは根本的な考え方や使用している(化学反応を起こす)材質が違うのです、まぁ簡単に言うと現代のバッテリーということになります。(かなり端折ってるんで、ちゃんと知りたい人は調べてね)元々パワフルで軽くて小さいのですが、その分既定の容量よりも大きなバッテリーも積めるので、例えば14Ahの指定の所に18Ahのバッテリーや21Ahのバッテリーも積もうと思えば積めたりします。(オルタナタ容量は無視する)まぁ、その分高いのですが、オイラが乗っているBMWの純正専用バッテリーも、国産バッテリーに比べると元々高いので、そんなに大きな追加出費にはならないですし、仕事の都合上比較的安く手に入ったりする事情もあってつけていました。

で、そのバッテリーがあがっちゃったのですが、このバッテリーには前述の特徴のほかに使用においてもちょっとした癖があって『過充電・過放電であっさり壊れる』というものがあります。例えば過充電ではR100RSに取り付けたのはいいんだけど、レギュレータ不具合で15vくらい供給されることがあった車両で2回死んだとかの経験があります。通常の開放型ではボコボコと電解液を沸騰させながらでもなんとか持ったりしますが、こちらはアウトです。また過放電に関しては今回と同じように電源を切り忘れたりして(今の所明確な原因は不明ですが)完全放電させてしまうと、もう元の状態には戻らなくなるというモノです。ま、これらの対策として専用チャージャーによる復活の呪文ってのがあるんだけど、ここまでやっっちゃうと概ねNGだったりします。
というわけで、今回は保証の範囲外の自己責任での破損(あくまで主原因は特定していませんが、想像はついている)という事で、諦めるしかないように思われます。

が、
まぁ『捨てる神あれば拾う神あり』といいましょうか、『じゃぁ捨てるくらいなら買いますって言ったおいら、神ってねぇ?』といいましょうか、1年ほど前に容量アップの為に買い替えた知人の18Ahのショーライバッテリーを「いらないから安く買わない?」と言われ思わず買っておいたという事を思い出して取り替えようとおもったのですが、よく見りゃ端子の+-が逆という……ちょっと車上で合わせてみたものの、このままつけると+端子近辺がフレームにショートしてしまう可能性が極めて高いという事に気づきまして、どーすんべぇかなぁ? と3秒くらい迷った挙句、表題の通りとなったわけでありやんす。

左が今まで使ってたモノ、右がストック品。容量や大きさは全く一緒なんだけど、+-の端子が逆。「パンが無ければビールを飲めばよいではないか」という教えに従い「端子が逆なら交換すればよいではないか」という結論に達しましたとさ。

「また詰まらんものを斬ってしまった」とは言いませんが……。ちなみに、これは全く持ってイレギュラーな事であり、メーカーの保証が効かなくなるのはもちろんの事、ショートして爆発なんて可能性も十分考えられるので、決してマネしないように。いや、上島竜平じゃないんだから、「押すなよ、押すなよ……殺す気かっ!」なんて簡単に思ってると、ホントに死んじゃうことがあるので、ホントに、ね。

作業としては上のフタの部分の端子に付けてある半田を取ってフタごと付け替えるという事なんだけど、まぁ予想はしていたけど普段使っている電子工作用の30wのコテじゃぁ全く半田が溶ける気配がしない。

左が普段使いの30w、右は現在我が家で一番大きい80w。ちなみに手持ちの最大は実家に置いてきた100w。これは電気工事店を営んでいた曾祖父からの形見分け。あと普段使いでは細部用の15wとかカッター用の25wとか、同じ30wでも昔懐かしい(使い慣れた)銅先のコテとか、今年初めに購入した念願のガス式コテ(外で使える)などを使い分けているのです。

さすが80w! 30wでは全く溶ける気配もなかった半田も、一気に「ぶじゅっ」。

鋸で切った際に(気を付けてはいたんだけど)痛めてしまった被覆。このあとちゃんとテープで補修しました。まぁ今回は事なきを得たけど、これが主線でしかも+-の線を同時に傷つけちゃってたら、本当に危ないのよ。派手な火花は勿論の事(溶接と同じ原理だからね)場合によっては本当にセルが爆発なんて事もあるから、くれぐれも真似はしないようにっ!

こんな感じで取り付けました。元々は+-の線両方とも真横に向いてついていたんだけど、どうも線の取り回しに少し無理があるような気がしたので斜めにしてみた。あと、元々端子部分には黄色い半透明のテープが付いていたけど、今回は黒のビニテで養生をしておいた。

破断面に接着剤(スーパーX)を塗って接着。乾くまでビニテで固定。乾いた後に接着面の側面に念のためシリコンシーラントを充填して完成。

完成後チェックをして使用できる事を確認しました。
ま、取り付けは今やってる電装系のモデファイが終わってからになる予定ですが……まぁそういう意味では走り出したい時ではなくて事前にわかってよかったような気もします。

さて次は何が出てくるんだろう????

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