THORENS 蓄音機 再生記 02

さてさて、なんとか競り落としたトーレンスを早速検証してみました。

見た目は再生記01にある通り結構ばばっちく、油と埃とカビの匂いがします。
アームには半田の補修痕(ヘタクソ)があり、サウンドボックスの針支持部は
一つのネジを舐めたまま、硬締しています。

ターンテーブルを手で押すとなんとか廻ったので(廻らないという事だった)
試しにクランクを差し込んでネジを巻こうとしたら空回りします。
(つまり、発条(ゼンマイ)モーターが壊れている)
おまけに数回正方向に廻したらストッパーが効いたようにターンテーブルも
ロックしてしまい回らなくなってしまいました。

まぁ、こんなのは予想されていた事なので、とりあえずは分解するとしましょう……。

邪魔になる蓋(反射鏡部分)を外してからターンテーブルを外し、いくつかの
止めネジを外すと……

発条モーターが出てきました。
そしてこの時、それまでずっと疑心暗鬼だった心が晴れました。
画像の発条モーターユニットの下側パネルが見えるでしょうか?
そう、ここにTHORENSのロゴが見えたからです。

正直な所、ハコはニセモノでも仕方ないから、モーターとサウンドボックスは
THORENSのものであってほしいと思っていたのです。
幸い、サウンドボックスには碇のマークがありました。
しかし、モーターに関しては出品者が『開けてないからわかりません』と書いていたので
最悪の場合は……という不安がずっとあったのです。
ということで、ちょっとだけホッ。

と、言いたいところですが(笑)同時に箱を分解していて気づいたことがありました。

「THORENSはスイスのメーカーで、反射型の蓄音機は作っていない筈だ」と
前回書きました。
なので、この箱はオリジナルではないのでは?と思っていたのは当然です。
しかも、反射鏡の周りが妙に白々しい化粧板になっていて、反射鏡用の
穴の開け方も雑です。

しかし!
そうは言っても、やっぱりTHORENSなんじゃないかな?
等と言う淡い期待を持って分解していると、ナントありました!
箱の裏側に番号が!

左六

おいっ!
なんでスイスメイドの箱の中に、ヒダリ ロクなんていうパーツ番号が……(笑)
まぁ、発条がホンモノだったから箱は仕方ありません。

推測ではTHORENSの何かのモデルが壊れて、デッカの箱を真似て造ったものに
THORENSのモーターとサウンドボックス他を移植したか
あるいは、ホーン部が無く簡単な造りのデッカを見本にして箱を作ったかしたものでは
ないだろうかと思うのです。

が……。
(またかよ:笑)

前回、これを書いているときに何気なく再度THORENSと反射型をググッたら……

http://www.kobayasi-riken.or.jp/news/No60/60_2.htm

こちらの財団法人 小林理研様のページに、ナント! 同じ(と思われる)モノが!
しかも、こちらでも1920年ごろのスイスメイドでサウンドボックスには碇のマークと
記述しているではありませんか!

これはひょっとして……お宝GETか!?

続く

カテゴリー: 蓄音機・Gramophone パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください