小さくても高性能

気軽に持ち歩けるガイガーカウンタを、もっと皆に持ってもらいたい。
特に、子供や女性には。

今までいくつか作ってみた中で、U先生の回路が非常に消費電力が少なくて秀逸だったので、アンプ部を追加して音と光でカウントがわかるようにしたガイガーカウンタを、小型化することによって上記条件を満たせないかな?と頑張ってみた。

まず小型化に際しネックになるのが、使用しているロシア製GM管(放射線検出ガイガーミューラ管)である通称SBM-20だ。一番奥の金色に光るものがそうで、長さが約11cmある。
小さくするには、このGM管を他のものに変えればいいのだが、この管はガンマ線のみならずベータ線も感知でき(但しベータ線はケースカバーをつけると感知できない)安定性や信頼性、そしてなんといってもコストに対する性能も、この管は外せない。
なので、長さと高さは必然的にこの管に合わせた大きさになってしまう。

幅に関しては、あまりにパーツを接近させた場合のリーク(誘電)などの問題から、このレイアウトが最小のものとなった。もう少しなんとかできるのかもしれないけど、ジブンが色々試した中ではこれ以上狭くしたり、階層構造にすると、残念ながらリークで上手く動かなかった。

また、本来なら電源にはエネループなどの充電式電池などをつけられればいいのだけど、大きさ的に難しくなるので、今回はアルカリボタン電池のLR1130を3つ使う事とした。これなら100円均一の店で2個100円だから、二週間持てば1カ月300円の出費で済む。
また、主に外出時に気軽に持ち出せるというコンセプトから、家にいる間などは電池の消耗を抑えられるようにスイッチをつけてみた。

「うーん、スピーカー(圧電素子など)が手持ちのものではスペース的に付かないな……」
という事でスピーカーはオプションとした。
とは言っても、これも今は100均で買えるので、音を出す際も実費は+105円となる。

さて、基盤や回路は見ての通り既に出来ている。
(本当はここまで来るのに、リークだなんだかんだと結構苦労したんだよォ!)
だが、こんな基盤剥き出しのままでは、世のママさん達は持ち歩いてくれない。パパさんも嫌がるかも?まぁ、ジブンでもこの状態では持ち歩きたくないわな。(笑)

できるだけ、シンプルにスタイリッシュに、なおかつ安価にできるようにケースを作ろう。

材料は、毎々言ってる『紙』だ。
ただ、いつも紙と言うと「ショボイなぁ」という声が聞こえてきそうなので、今回はちょっとリキ入れて紙を神に近付けてみる。できるかな?

常備している工作用ボール紙を重ねてトップケースの形状を作る。
GM管が来る部分にちょっと大きめのR(丸み)をつけてアクセントとした。
反対側の角も小さなRをつける。
これは、目に付く部分を鋭角にしない事で心理的な危険性を排除し、手に取ってもらいやすく(外出の際一緒に持ち運んでもらいやすいように)するため(要は面取りだね)。あと、ボディの強度を確保するという意味でも役に立ってるはず。

裏側はこんな感じ。
まだ端部などは未整形ではみ出している状態。
黄色い紙テープは紙の弾性による変形を抑えているところ。
この状態で強度的にヤバそうな細い部分(手前のLEDやスイッチ穴のあたりなど)を瞬間接着剤により固定すると、FRPと同じように硬化していい感じにベースの形ができてきます。
さしずめFRPならぬFRC(ファイバー・リインフォースド・シアン(化合物)?)といったところでしょうか?

継ぎ目やRの気になる部分にパテ盛り。
この後の工程はプラモデルなどの塗装と一緒なので省きますが、内容的には
パテ>パテ研ぎ>サフ>(必要ならパテ盛りと研ぎ追加)>塗装
と言った感じです。
紙は塗装しないと柔らかいので、パテも柔らかいものがいいですね。
あと余談ですが、塗装前の紙は水に弱いので、当然水研ぎはできません。

白く塗装してみました。
どうです、これが紙だってわかりますか?
(ちょっとだけ紙(神)がかってきた?:笑)
塗装すると表面硬度も増して、本当にプラスチックのような感じになります。
ただ、不思議な事に手に取ってみると、紙の安心感が伝わってくるんですよね。
弾性のせいなのかな?

さて、これでケースは完成です。
最初に掲載した基盤には、GM管搭載部と基盤部を木のベース版に乗せ、さらに裏にはプラ板を張り付けてあったので(このコンビネーションもリークで悩んで凄く大変だったんだよォ!)できあがったこのカバーをつけるだけです。

が、

これだと全然面白くない&可愛くない&不親切なのでちょっと加工しましょう。
なにせ一応G大出ですから……音楽学科ですけど(^^;;

すいません、このくらいで勘弁してください。
頑張ったつもりですが、数年前に買った水シールが劣化してたりと色々と……(いいわけ)
なにせ音楽学……あ、でもピアノとかも弾けません。
仕事もありません。
ダメ人間ですね。orz

本当は『放射線検出器』とか『ガイガーカウンター』とか書こうと思ったんですが、持ち歩いた際にこういう文言に嫌悪感を抱かれる所もあるかと思って(店舗とか、あからさまだと嫌がられるかな?と)パッと見わからないようにMOBILE GEIGER COUNTERとしてみました。(左の三つ葉マークでバレバレですが)

さて、ちょっと写真で見辛くて申し訳ありませんが、上の右側の写真、三つ葉マークの横の面に『電源スイッチ』『CPM表示LED』『イヤホンジャック』がついています。
電源を入れると、このLEDが点滅するので、1分間に何回点滅したか数えて三つ葉マークの横にある簡易換算表で放射線量を確認します。
また、100円ショップで売ってる小型スピーカやイヤホンをイヤホンジャックに差し込むことで光と同時に音でも確認できます。

「なんだか面倒だなぁ」と思うかもしれませんが、実際使ってみると『○○μSv/h』などと表示されるLCD画面などは、普段あまり見ない事がわかります。
それよりも目の端に入る光源の光の速度や、耳に聞こえる音の変化の方が、普段から『ながら』(「○○しながら」のナガラです)感覚で身体に入力されるので、変化があった時にわかり易いのです。
コストや大きさからも、持ち歩くのだったらこの位の機能がベストマッチだと思っています。

万が一、これら光や音のインジケータに変化があった場合には、時計を見ながら1分間のカウント数を数えればいいのです。
慣れてくると、「あぁ、このくらいなら大丈夫だな」と音だけでわかるようになりますよ。

持ち歩いていただきたいので、裏にはクリップをつけてみました。
胸のポケットに引っかけると、丁度LEDの光が見えるようになってます。
ベルトなどにつける時は、先のスピーカーをつけると音でわかるので便利です。
(隙間があるのは試作品の為です、苛めないでください。基本がダメ人間ですから)

スピーカーを付けた場合の様子などを動画にしてみました。

できるだけ多くの人が、国や企業の為に無駄に命を削らないようにしてほしいという観点からも、是非ともコレじゃなくてもいいので、サーベィメータ(ガイガーカウンタ)を持ってほしいと思っています。特に子供には、ネガティブしかない世の中や人生を歩んでほしくはありませんから。

前から繰り返していますが、貴方もあなたの家族も、それを守ってくれるのは国や企業ではありません。
特に、ココに来て、国(政治家や国を動かすシステム)や企業を構成している人たちも、自分達の生活を守る為に、必死に虚偽や曖昧な表現や権力やメディアを使って保身に努めている様子が伺えます。

当然、貴方やあなたの家族は、貴方自身が守らなくてはいけません。
そして特に子供は、大人が守ってやらなければいけません。

まだまだこれから、色々な所から放射線が検出されると思います。特に食に関しては、これから生体濃縮された放射性物質がヒトの口に入る機会が多くなると思われます。
放射線の呪いから、身を守ってください。

カテゴリー: ガイガーカウンタ・サーベイメータ, 技術・テクノロジー パーマリンク

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