THORENS 蓄音機 再生記 05

ふぅ。
子供の体調がすぐれなかったり、年度末更新で色々バタバタです。
おまけに仕事はなんか訳わかんない方向に行ってるし……ま、文句は言いませんけどね。
意見はしますが。(いつもそれで仕事を失うんだけどね)

さてさて、THORENSですが何処まで行ったっけ?
あ、そうそう、一応洗浄が終わってメリークリツマツMr.ローレンス!って所までね。ちなみに、この時ハラ軍曹(タケシ)があんなになってしまったのは、ヨノイ大尉(サカモト)の魅力でハラの脳内にあるニューラルネットワークのシナプスが荷電されてヨノイシュキシュキ!になったってのは有名な話であり、この現象から荷電粒子が受ける力の事を『ローレンツ力(りょく)』と言うようになったってのは、理系の人間なら高校で習うからみんな知ってるはずなんだが、どうも文系の人は知らないみたいだね。

USOです。(ご清聴ありがとうございました)

ということで(なにが?)これがガバナ(速度制御装置)である。なんか偉そう? ガバナデス、すいません。これで良いか?(シラフだよー:笑)

ガバナは発条モーターの速度を制御する装置なんだけど、仕組みは至ってカンタンで、モーターが動くと左右に伸びる軸部分がグルグル回るのです。すると錘(真ん中についている丸いの)が遠心力で外側(この写真だと上とか手前方向)に引っ張られ、板バネで繋がっている左側のディスクを軸上の右側に移動させる訳です。本来このディスクの右側にはブレーキパッド(的なもの)が本体から伸びていてディスクにあたると摩擦力で速度を落とし、速度が落ちると遠心力が落ちて板バネが戻り錘が軸中心部へ戻ってまたモーターの速度が上がり……という構造です。(ふぅ、疲れた割には理解できてない人多いと思う)

ま、見ての通りキタナくて、しかも本来左のディスクが軸上を左右にスムーズに動くはずなのに固着して動かないようなので、これもバラして清掃しました……ら……

板バネが折れてました。ありゃりゃ……。(ありゃりゃぎさんじゃないでつよ)

本当はコンナものはさっさと交換してしまえばいいんですけど、適当なものがありません。なのでここは修復することにして、とりあえず接着面をペーパー掛けして……

できますた。(イキナリかよ!)
修復方法としては高機能接着剤によりファイバーでサンドイッチし(FRPと同じ原理)使った接着剤の緩い衝撃による剥離を防ぐために表面にシリコン系のコーティングを施すという手法です。バネ係数は変わると思いますが、元々それ程の制度を求めていないので大丈夫と判断しました。ちなみに、他のばねと曲がり方の違いを測定しましたが、やはり気になる程の違いはありませんでした。ちなみに使った測定装置は移動式有機不定測定装置(ジブンの手)です。(笑)

とはいっても、遠心力で錘を動かすので重量があまりにも違うとマズイかな?と思い計ってみました。

おおむね同じ。(しかもこのあとワッシャの付け替えで全部73.2gになりました。)
ちなみに下にあるのは電卓で上皿天秤とは連動していません。記録として残す際に便利なので表示させただけです。

うん、ここまで来たら後は組立ですね。

 

 

できました。(はえーよ!)

上から、横横上下(左右左右ABとかのオプションは付きません)。

ディスクが廻っているのがわかるかなぁ?

 

ってことで、こっちに動画を用意しました。但し、このモーターはモーターユニット内にブレーキのイニシャル(初期値)を設定する機能が無く、このまま発条をクランクで巻くと回転が速くなり過ぎて破損する危険があるので手でちょこっと発条を廻してみた程度です。(修理した発条の溶接が実用的なものか検証できるほどのテスト動画ではありません。)

まぁ、一応これでモーター部分は完成とします。残るは箱の方ですが、正直な所未だTHORENSの反射型に懐疑心があるのは事実です。
そんな折こんなサイトを見つけました。

公益財団法人 金沢文化振興財団 様

上記の『その43「戦地に行った蓄音機」』の中にある『贋物くさい1台』というくだりが、まさにこのTHORENSっぽいのです。

但し、こちらの記事では贋物くさいと言ってはいますがその音色はまずまずと表記されています。
うーん、正直な所まったくわかりません。
はたしてこの箱に価値があるのかどうか……。

ジブン的にはこういう場合、古いものをそのまま生かすってのが流儀なんですけど、流石に今回のものは箱の各所に隙間が有ったり、時代考証にちぐはぐな点が見受けられたり、そしてなによりスイスメイドの筈なのに日本語の組立用表記が有ったりする点から、やはりこれはオリジナルではない(少なくとも現役時代にリビルドorレストアされたもの)のような気がしますので今回は新たに箱を作ろうかな? と思っている次第です。(もちろん既存の箱はそのまま保存の予定)

で、そうなると、今度は新しい箱の構想にふけってしまう訳ですが……それはまた次のお楽しみって事で、今回はココマデ。

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