KAWASAKI GPZ400R レストア記 第三章

以下は2006年4月頃に完結したPrivateSoulBox内の記事を移植したものです。

 

第三章  助っ人登場、ソノ名は4型。

 

いきなりですがココで助っ人登場です。

GPZ400R4型部品取り車
走行約6,000km
カウル類は塗装されており、お世辞にも綺麗な車両ではありませんが、各部の状態から走行距離は実走のようです。
残念ながら、4型のウマミであるFブレーキ(4型はブレーキ、エンジンなどが後継車のGPXと同一になり強化されている)は外されていますが、プッシュ キャンセラ付きのウインカースイッチ等は残っていますし、なんと言っても走行約6,000kmの車両ですから、各部のベアリングなどは十分機能してます し、交換したい部品を買うよりは安いかな?と思っています。

まぁ、コイツを入手した本当の理由は、たまたま知人が持っていたからってのが大きな理由なんですけどね。安かったし、ガレージまで軽トラで運んでくれたんで。

今後はこの4型の部品流用できる部分を積極的に使って進めていきたいと思っています。

(左が既に裸になってる4型、右がレストア中の2型)

くどいようですが、左がレストア中、右が部品取り車。
なんか・・・まるで、逆みたいですが、これが現実です。

手前にあるのは4型の外装類。まぁ、スペアとして取っておきますか。
使用できそうなパーツは下記の通りです。

EG→点火系、バルタイなど違うため電装系を移植する必要があるが、4型のイグナイタがついていなかったためNG。但し、ウォーターポンプなどの部品は流用できそうかな?ラジエータ等の水周りは4型を使用する予定。

Fフォーク→AVDSを殺してリニア感を出すならこっちの方がいいかな?と少し思ったが、インナーチューブに点錆があるので止め。

Rサス、スイングアーム、サスペンションリンクなど→非常に状態がいいのでOH後使用する予定。

前後ホイール→ベアリングの状態が良いのでこちらを使用する予定。タイヤは新車時のままみたい、ALLOWMAXが付いていた。も ちろんタイヤは要交換。2型のタイヤが交換後ほとんど走っていない状態なので、こちらを移植する予定。3年前のモノなので多少硬化しているけどまだまだ大 丈夫だろう。

Fマスターシリンダ、レバー、ステアリング周り→これも4型に交換予定。

ということで、4型もバラシました。

今度は左が2型、右が4型。
必死に磨いた甲斐があったか?なんとかフレームは光を取り戻しました。

本当は、どうせここまでやるなら塗装の浮き(というかアルミの錆)を落として再塗装してやればもっと綺麗になるんだろうけど、それをやっちゃうと味がなくなっちゃうし、なにより手間がかかるので止めました。まぁ、旧車は旧車なりにってのが、今の心境なんで。

ちなみにこの時点で左の2型のステアリングのベアリングレースは既に打ち込んであります。この状態での作業なら、下側のレースを打ち込む際に、フレームをひっくり返して打ち込むことができるので楽なんです。

ちょっと作業画像が前後しますが、ステアリング周りを取り付けた図です。

ステム、トップブリッジ→4型
フォーク周り→2型(フォークのシール類は以前OHしてあるので、AVDSとブレーキ周りのみOHしました)

さてさて、先を急ぎましょう。

まずは、リアのリンクを比較。
左が2型、右が4型。
4型のリンクはGPXのリンクと基本的には共通部品なのですが、オイルリップル用の台座はあるのにリップルがついてません。どうせならつけりゃいいのに。コストダウンですか?Kawasakiさん?

そうそう、コストダウンといえばその下の部品。
リンクとスイングアームを連結するアームですが、2型の左がアルミなのに対して右の4型用はスチール。重さが全然違いますし、スチールの方は錆が浮いていました。

今回はリンクを4型、このアームを2型という組み合わせでいきます。
2型のパーツ流用ということで、ココにつくカラーを注文。
ちなみに、2型のアルミアームは幅があるので、ココにつくボルトは4型より長いものとなります。流用を考えている方はリンク部を丸ごと買った方がいいかもしれませんね。

はい、と言うことでスイングアームを取り付けました。

結局
スイングアーム→4型
ショック→4型
チェンガイド→4型
リンク→4型(リンクのベアリングはOH、シールは新品)
リンクのアーム→2型
という組み合わせになりました。

前ページの古い状態のリンクと比べると見違えるでしょ!?

ちょっと形になってきました。

フロントフォークとスイングアームを取り付けるだけで、だいぶバイクらしくなりますね。

形になってくるとやる気も出てくるもんです。(笑)

さてさて、前後しますが、F周りのOHをします。

まずはFブレーキですが、とりあえずキャリパの洗浄です。
左写真の左が洗浄前。汚いですねぇ。
右が洗浄後、綺麗になりました。

右写真は片方の キャリパなんですがシールの一部を噛み込んだ跡がありました。(-_-)
余談ですが、リアのキャリパにはダストシールが入っていませんでした。
(-_-) (-_-) (-_-)  なんで?

キャリパ-はこの後さらに磨きこみ、錆とガリを綺麗にとってオイルシール、ダストシール共に新品に交換します。今回、ピストンは磨けば再使用できそうな状態でしたが、事前にシール類と一緒に注文しておいたので新品を使用します。古いものはストックする事としましょう。


左写真がストックする古いピストンです。フロント2つにリア1つ。
現在の状態なら、浅い錆が浮いている状態なので、ちょっと磨いてやればまだまだ使えそうですが、このまま仕舞ってしまうと確実に錆の巣窟になります。そこ で私は、右写真のようにオイルを塗ったハトロン紙で包んで、チャックつきのビニール袋に入れて仕舞っておきます。ハトロン紙は文房具屋などに売っていると 思っていたのですが、最近は置かないらしく、仕方ないのでハトロン紙の封筒を買ってそれを鋏で切って使いました。
大物を処理しない限りは、この封筒の方が安上がりかもしれません。


ブレーキついでにマスターシリンダーもOHしました。
左がOH前、右がOH後です。
よくある事ですが、フタのエア通路が湿気を吸ったフルードのカスで塞がってました。
あ、そうそう、凄い余談なんですけど、GPZ400RのフロントブレーキパッドってSUZUKI RG50ガンマと共通なんですよね~。ガンマのブレーキがオーバースペックなのか、GPZのブレーキがプアなのか・・・考えないことにしましょう。
ちなみに、今回前後のパッドは十分残っているので、洗浄後そのまま使う予定です。

フロント周りの一番の難題、AVDS周り。

あれ、もしかしてAVDSってのはフォークの中に入ってるコマの事を指すのかな?という事は、このフォークの外側に付いているのはソレノイドと呼ぶべきモノ?まぁいいや、とにかくソノ部分です。(笑)

酷い錆です。
これはAVDSユニットの下半身(調整ダイヤルとフィンが付いている方)なんです。上半身にはブレーキフルード、下半身にはフォークオイルが充填されており、ここはその境目となる部分です。
ブレ-キング時に真中のピストンを押して、フォーク内のオイルの流量を制御し、沈み込み(ダイブ)を防ぐ訳ですが、この状態ではまともに動くわけがありませんね。
一応、この部分にはどちらのオイルも入り込まない構造となっており、小さなドレンが空けてあるのですが、ヘンな物体でドレンが完全に塞がってました。ブ レーキフルードが呼んだ水分なのか物理的に溜まる水分なのかは不明ですが、水が抜けなきゃ・・・錆びますよね。(苦笑)

本来スムーズに動かなければいけないはずの部品が、ことごとく固着・・・というか同化しています。

全部ばらして洗浄&錆取りを行ったのですが、えらく大変でした。
また、左側の画像にあるソレノイド上部は全てパーツが単品供給されていますが、右側画像のソレノイド下部は本来アッシーとして供給されているらしく部品が単品で出ていないようです。

こちらにプラスティックを使用した部品なども在るので、単品供給されてもいいと思うんですけどね。
仕方ないのでシコシコと磨くしかありませんでした。

ここまで磨くのに片方で約1時間弱。
錆というか、カスというか、不明な物体Xがこびりついていました。
鋭利なスパチュラなどで下手にガリガリやるとシリンダーに傷をつけかねませんから、作業は慎重に・・・と同時に旧車再生は大胆に!
このあたりが難しい所ですね。

この後アッパー部分との合わせ面はオイルストンで磨き、面出しを行いました。


更に数時間後、
漸く洗浄終了です。

【今回のオマケ】

フロントフォーク殺人事件

ホシはフロントフォークのアウターチューブを握り、インナー側で被害者の後頭部を殴打、凶器を現場に捨てて逃走したものと思われる・・・

なんてね。
夜、作業後に立てかけておいたフォークが倒れて、朝出勤してみたらオイルが漏れていました。
床がクッションフロアになっているってのと、どっちにしろオイルは交換予定だったので、まぁ問題ないっちゃ無いんですけど、ちゃんと管理しないとダメですね。

 

カテゴリー: GPZ400R, バイク・モーターサイクル パーマリンク

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