KAWASAKI GPZ400R レストア記 第五章

以下は2006年4月頃に完結したPrivateSoulBox内の記事を移植したものです。

 

第五章  やっぱり足では漕ぎたくないからね。

エンジン、いってみましょうか。

左が2型、右が4型。
見た目は殆ど同じだけど、4型のほうがクランク、ピストン、カムなど色々とモデファイされていいらしい。
しかし、4型はデジタル進角化に伴いパルシングコイルが変更されている。
また、マニュアルを見るとジェネレータの取り外しに使うSST(特殊工具)が違うような気がする。
ということは・・・クランクシャフトのジェネレータ側取り付け方法や形状が違うのかな?
などと思って、今回は2型をベースに4型の部品を移植するという方法を選択しました。
(この辺りちょっと未確認なんで経験のある方、後々の為にも教えてください。)

しかし・・・2型のエンジンのヤレてること・・・(笑)

んで、色々とSWAPできそうなものを4型から取り外して検証。

まず、ウォーターポンプ。
羽が砕けていた2型とは比べ物にならないくらい綺麗です。
メカニカルシールの渋さがちょっと気になりますが、まぁ大丈夫でしょう。

クラッチカバー、左が4型、右が2型。
2型は塗装が剥離して白くなってます。これも4型に交換。

ドライブスプロケ。
まぁ、ドリブンも再生ですから(笑)

クラッチ。
これは、2型も4型もさほど減りは変わらなかったんですよね。
でも、ちょっとした違いがあって、4型にしました。

蛇足ですが・・・

このプチレストアを行っている最中に、オークションでパーツを色々と物色してしまいました。

1.当時モノ、新品デッドストックのオイルクーラーキット。
2.当時モノ、新品デッドストックのF-3キットのFフォークスプリング3種。
3.当時モノ、新品デッドストックのF-3キットのアルミドリブンスプロケットセット。

えっと・・・オイルクーラーキットは組もうかなと思ってます。
フォークスプリングは・・・走ってみてから、かな?
スプロケは・・・再生しちゃったから、走ってみてから、かな?

要は、貧乏性なんですね。(^^;;

先ずはパンを交換します。
左下写真の左上が2型のパンで、左下がオイルクーラーキットに含まれているパンです。

オイルクーラー用取り出しラインがついているんですが、思った通りノーマルパンの
メクラ部を加工してやればオイルクーラーは付きそうですね。
但し、アルミのパンに取り出し(戻し)用のバンジョーを取り付けるネジ穴を切って
やらなければいけません。
ちょっとサンメカの工具では無理かな?
でも、機械屋さんに頼めば簡単かも。

ところで・・・上の2枚の写真のパンなんですが、Eg内部の汚れが酷いです。
なんか、ちょっと乳化している気もします。
やっぱりベースガスケット周辺からクーラントが混入してたのかなぁ・・・
などとこの時は何となく思っていたのです。

クラッチ比較。

前述のように双方のクラッチとも使用限度内でしたので、どちらを選択しても良かったのですが
ちょっとした違いを見つけたので4型用を採用しました。

左が2型、右が4型。
上がフリクションプレート、下がクラッチプレートです。

4型のフリクションプレートの溝は斜めに切られています。
恐らくオイルを上手に切るために、ベクトル方向に変更したのかな?と。
クラッチプレートに関しても若干違います。
右の4型は、表面にディンプルがあります。
これは、張り付き防止?かなと。

これらを考えて・・・というか、
まぁ新しい方が色々と考えられてるだろうという事もあって4型にしたのです。

あと、交換していて気づいたんですが、全く同じだと思っていたクラッチカバーが
違うものだという事に気づきました。

リリースシャフト(って言うんだろうか?)の長さが違うんですよ。
2型は短いシャフトで、このシャフトが抜けないようにボルトを閂状に取り付けます。

4型はシャフトが長く、このボルトがありません。
シャフトに刻まれた溝とプランジャピンの組み合わせで抜けを防止しています。

このシャフトが違うので、当然カバーの受け側も違います。
但し、カバーの外寸等は同じなので、まぁTIPSということで。

本当は(面倒なので)やりたくなかったんですけど、どうもパン交換時の汚れが気になって
やっぱり腰上をバラス事にしました。

幸い、ヘッドガスケットとカバーガスケットはストックがあったので、ベースガスケットのみの
注文でバラせそうでしたし、ついでなんで、ピストンやシリンダーも状態の良い方に交換
してしまおうという魂胆もあったので・・・。

ピストン比較です。

・写真左上
左が4型、右が2型。スカートの長さが違いますね。時代に合わせたんでしょうか?(笑)
軽量化されています。

・写真右上
同じく側面。右の2型には、オイルリング下にオイル吐出用の穴があります。
4型にはありません。クランクで掻いてるのか?オイル散布は大丈夫かな?

・写真左下
かなり肉抜きされているのがわかりますね。

・写真右下
上の列は4型、さらにその一番左端がカーボンを落とした状態。
それほど酷い汚れ方では無かったんですけど、全部落とすのには苦労しました。
ペントルーフの形状は一緒のようです。

シリンダー比較

左が4型、右が2型。
2型の4番だけが妙に薄いのがわかります。
バルブの湿り具合もそうですが、プラグの白さが・・・何故!?
(まぁ、後ほどわかります)

ちなみに、ピストン、シリンダ、ヘッドは4型用を使いますが、カムは2型のものを使います。
4型と2型のカムタイミングが違う為です。
このカムタイミングによって、4型は若干パワーを落としてあります。
今回、2型のカムを使うのは、パワーの比較じゃなくて、単純に4型のイグナイタが無いためです。
2型のイグナイタでは点火時期が違いますので使えません。

あ、そうそう、じつはカムシャフトの受部径も違います。若干ですけど4型のほうがカムが細いんです。
(しかも、部分的に)詳しくはSMを見ていただきたいのですが、多分、4型のヘッドに2型のカムって
乗らないんじゃないかな?乗ったとしてもホルダ部のクリアランス的にキツイ気がします。
今回は逆なので、まぁ、良しとします。(笑)

突然ですが、【今回のオマケ】コーナーです。

※エンジン周りの画像を会社に忘れてきたからって訳じゃないんですよ。
忘れたんじゃなくて、あるはずのものが無かったってだけです。(爆)

さて、今回はちょこっと壊れたプラスティックパーツの補修TIPSです。

一応FRP工作なんかもやるので、FRPで治す事もできますが、いちいち面倒なんで
FRP利用の補修より簡単で、且つ、結構強度が出せる方法です。

これはウインカーリフレクタですけど、結構大きなカウルの割れも補修できます。

まずは、できるだけ割れた部分を元の状態に戻します。(割れた面を合わせる)

場合によっては、欠片がどこかに行ったり、変形したりして合わない事もあるでしょうけど
そういった場合は思い切ってざっくり削って、ツラを合わせたい面を優先的に合わせます。

で、合わせ面を瞬間接着剤で固定します。

PPの場合などは、専用の接着剤じゃないと付きません。
ここで瞬間接着剤を使うのは、次の作業に早く進みたいだけであって
専用接着剤でゆっくりくっつけても大丈夫です。

これで、完成です。

ンな訳ないですね。
ここまでは、普通の補修ですね。

まぁ、これで十分に強度が出ている場合はこれでも良いんでしょうけど、前述のように
合わせ面をざっくりやっちゃうと強度が出ません。

そこで、次の工程に進みます。

すみません、白地に白でした・・・わかりますか?

割れの部分に合わせて布を当て、瞬間接着剤を流し込んだ状態です。
布はなんでも良いのですが、綿などの伸縮しないものの方がいいでしょう。
ここでは、要らなくなってウエスにしたタオルの更に端の部分を使っています。

まぁ、FRPと同じ原理ですね。

ちなみに、瞬間接着剤は湿気で硬化します。
この当て布が湿っていたりすると、急激な反応で煙を出したりしますので気をつけてください。
化繊や不織布なんかも気をつけてください。

これで見違えるほど強度が上がります。

リフレクタの内側です。

塗装(アルミ蒸着?)をサンドペーパー剥いで、新しい塗装の準備をします。

ここで、ざっくりやってた場合は、空いた溝をパテなどで埋めてから下地を作れば
もう判らなくなります。

この画像のリフレクタは、色付きのレンズの中につくので、アラが目立ちません。
よって、凄く適当に処理してますので、塗装下地の参考にはしないほうがいいです。

で、後はペイントしてしまえばOKです。

上記と同じ理由で、かなりいい加減な塗り方です。
シルバーも会社に転がってた使いかけのシルバースプレーを使ったので、キメが荒いです。

まぁ、でもレンズをつければ判りませんから、OKです。(^^;;

という事で、SeeYou!!

 

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